「窓に映る影」

「窓に映る影」


およそ20年も前の話ですが私が石川県の鳥越村というところで百姓をしていたときの話です。

ここでの話をまとめて紹介したいと思います。

鳥越村はかつて50世帯が農業を営んでいた小さい村でした。

冬になると雪が10メートル以上も積もる日本で2番目に降水量の多いところでした。

そこは山ふたつ位のスペースで村を車で一周するのに2〜30分かかる所で、200名弱の方々が
農業をしながら暮らしていたそうです。

あまりに雪の量が激しい為に、村の人たちは一人もいなくなって空いた土地をタダ同然みたいな
金額で貸していたのでした。

そこに住んでいたのは「私」と同年代の「SO」さんと、年配の「S」さんの3人。

そして金沢に自宅のあるボスのMさんが通っていました。

つまり200人近くいた村を4人で耕していた訳で、想像を絶する野良仕事の毎日でした。

周りには誰もいなく、ときおり狐や熊が現れるという所でした。

あるとき、農作業に出かけようと鍬やスコップ、フォーク(食器のフォークじゃないですよ。)などを揃えてました。

すると前日には全く問題がなかった農機具だったのがよく見ると、先端がわずかながら曲がっている
ではありませんか!

桑やフォーク、スコップの先端が「1Cm」位それぞれ曲がっているのです。

しかも約20本はある全ての先端が曲がっているのです。

それに気が付いたボスの「M氏」は私に向って

「何でこんなことするの!?」と言ったのです。

私は

「ハァ?? こんな馬鹿なこと何で私がしなくちゃいけないんですか!!」

と言いました。

加えて

「これ曲げるなんてペンチ持って来ても曲がりませんよ!!」しかも20本も一晩で!

「じゃあ、何で曲がってるの!?」

と聞いてくるM氏

「知りませんよ!! 私が聞きたいですよ!!」

と押し問答になったのだが、その日は曲がったスコップやフォークで仕方なく農作業をしたのですが、
やりにくいこと、やりにくいこと!!

M氏は仕方なく新品を購入してきましたが、たった一晩で全ての農機具の先端が曲がるなんて、
こんな不思議な不可思議なことはありません。物理的に・・・

恐い話ではありませんが、この体験が一番不可思議な体験ではなかろうか・・と思っています。

M氏は最後まで私を疑っていたようですが、非力な私がどうやって曲げることが出来るのか??

大体、曲がってしまった先端をペンチ持ってきて元に戻そうとしても戻らないんですよ!

そんなに硬いのを私独りで一晩で20本近くもの「鍬」「シャベル」「フォーク」
の先端だけちょっこっと曲げるなんて私には無理、不可能です。

しかし、本当に不思議な不可思議な事件でした・・・今思っても一体なんだったのか・・・??

「M氏」も最後は首をかしげていましたが・・・

そんな「M氏」に関する不可思議話があります。

彼は金沢市から車で鳥越村まで約1時間かけて毎日通勤してました。

その日はいつもよりやってくるのが遅いなぁ・・と私は外で農作業をしていました。

ふと見ると、私達が住んでいる家に「M氏」入り込む所が見えました。

「あれ?いつのまに来たんだろう?」と
私は思ったのですが、

その時「M氏」と一緒にお婆ちゃんらしき方が一緒に入るのが見えたのです。

私は

「M氏のお母さん??」と思いました。

「M氏」のお母さんには会ったことも見たこともないのですが単純にそう感じたのでした。

「M氏」が入っていくのが見えたので私も農作業を止めて家に向かいました。

しかし、家に入ってみましたが、M氏は見当たりません。

お婆ちゃんもいません・・・

「あれ?おかしいなぁ?」

「ふたりともいない・・??ふたり揃ってトイレか?」

なんて思っていたらいきなり

電話がなりました。

私はちょっとびっくりして電話を取ると・・・

電話の主は「M氏」だったのです。

私は混乱しました。

「え??」

すると「M氏」は

私に向って

「すまんけど、突然お袋が亡くなったんよ。」

「だから今日はそっちに行けないから。よろしく頼むよ。」

と言ったのでした。

普通の人でしたらここで混乱してしまうかも知れませんが

私は先ほど見た光景で「ピン」と来たのです。

私は「M氏」の幻とそのお母さんの幻を同時に見たと瞬間、察知しました。

このことは「M氏」には話をしてませんが、母親というものは最後の最後まで息子である
「M氏」のことを思いながら旅立っていかれたのではないでしょうか・・

勝手ながらそう感じている私です。

その夏の日のある日・・・

私は朝の農作業が終わり、昼食も済ませ、同年代の「SO」さんと台所で食事の後始末をしていました。

その台所には大きな窓がありました。

夏だったので窓は開けっ放しで食器を洗っていました。

窓の向こうには隣の家が見えていて、その家にも大きな窓があったのです。

その日は爽やかな風が流れていたのを覚えています。

村には私達しかいませんので、当然その家も空家でした。

窓の端には2階に上がる階段のようなものがぼんやりと写っていました。

私は茶碗を洗いながらふと隣の窓に目をやりました。

すると、空家のはずなのに人影が写っているのです。

しかも人影というには子供のような背丈なのですが、目が異様に大きく頭も異様に大きいのです。

私は気持ち悪くなって「SOさん」に

「最近、隣の家に誰かやって来た?」と尋ねてみました。

「SOさん」はぶっきらぼうに

「誰も来てないよ。」と言いました。

私は

「でも、ほら、あの窓に人影みたいなものが見えてるよね?」

と「SOさん」に尋ねると

「人影? 何処に?」

と、ぶっきらぼうに答えるではありませんか!

私は

「あの窓の所に人影が写ってるのが見えない?」

SOさんは

「見えないよ。誰もいない。」

私は窓の横に写る階段みたいなものがあるのは分かってるのかなと思い

「階段みたいなのがあるのは分かる?」と聞くと

「うん。階段だろうね。」

と階段は確認出来てるようです。

「その階段の左横に人影があるでしょう?」

とさらに突っ込む私ですが

SOさんは

「階段の横に?誰もいないよ。」

と言います。

私は半分頭に来て紙とエンピツを持って来ました。

そしてスケッチしながら言いました。

「あの家の窓がこうあって。その窓の右側に階段みたいなのが写ってる。ここまではOK?」

とスケッチした絵をエンピツでトントンと叩く私。

「ああ。OK、OK」と半分笑いながら私がムキになってるのが可笑しいようすです。

私は「階段の左横ってここよ!!ここに人影が・・・」

と言って窓を見ると

目が大きく頭も大きい人影は

「ニヤリ」と笑うと消えて行きました。

私は

「ああ・・消えちゃったよ・・」と呟きながら

「ニヤリと笑ったよ・・・」とこれは心の中で呟きました。

私はガックリとしてしまい、SOさんの肩に手をかけながら

「もう、いい。」と言ったのでした。

あれは一体なんだったのか?

そう思いながら時間はすぎてしまい、私は忘れてしまいました。

その後、鳥越村から福岡に戻って2〜3年過ぎた頃に

矢追さんの「UFOスペシャル番組」がありました。

そこには「宇宙人グレイ」が撮影に成功した!!

みたいなタイトルでした。

(不思議な体験を多く持つ私ですが、恐怖番組は見ません。でも、UFO関係の番組は
やはり好きです。)

当時は「宇宙人グレイ」なんて言葉も知らなかった私なので、
何も考えずに番組を見ていました。

その番組を見て驚きました。

紹介された「グレイ」の姿が、石川県の鳥越村で見た人影にそっくりだったからです!


それ以来私は、鳥越村で「宇宙人グレイ」を見たと嘯いているのでした・・・


                                    (了)

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masayuki57
何故かひとよりも不可思議な体験をしているということに気がつき、せっかくだから公開しようと思いました。 よろしくね。
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