キリ番
『侍の能力』
キリ番2250
出題者:P琢磨さん お題 :『侍』『能力』『コメディ(明るい物語)』『仲良し』
侍にとって一番必要な能力とはなんだろう。
清四郎は自問した。
別に、今に始まったことではない。侍の家に生まれ、物心ついてからずっとと言っていいほどに長い間、頭を悩ませる命題だった。
武家に生まれさえすれば、侍になれるというものではないことはわかっている。
それだけですむ問題なのであれば、今までの長きに渡って悩み続けてなどいない。
侍なのだから、やはり剣の腕だろうか。
戦などない、太平のこの世に?
では、学問だろうか。
それも勿論大事だ。しかし、学問が一番であるなら、「武」士である必要があるのか?
もちろん、文武両道が理想なのだろう。
しかし、どちらも極められるほど器用ではない。どちらも必死で頑張ってそれなりになっているつもりだが……それも限界がある。
二兎を追えば、両方共に中途半端になることはわかりきっていた。
だから、どちらかをとらなければならない時にきていることは、清四郎自身が一番わかっている。
では、どちらをとればいいのだろう。
侍として必要なのは、大切なのは、どちらなのだろうか。
いくら悩んでも答えは出なかった。
「どうしたよ、変な顔して」
不意にかけられた声に、清四郎ははっと我に返った。
にやにやと笑いを浮かべて、宗兵衛がこちらをのぞきこんでいた。
軽薄な笑いに腹が立つが、一応相手は上役という事になっている。
「……すみません、少し考えごとをしておりました。見回りの最中に気をとられるなど、申し開きも立ちません」
「なぁに、そんなに気を張るこたぁねぇさ。気楽に行こうぜ」
そう言ってへらへら笑う姿にまた腹が立つ。
この男は、同心という職務をどう思っているのだろう。
悪人どもと渡り合い、下手人を縄にかけるのが同心のなすべきこと。気を抜く事は下手人を逃がすことに繋がり、果ては自分や同僚たちの命を危険に晒す事にまでなる。
いずれ、自分ひとりでこの辺り一帯を受け持つ事になる。
今のうちにしっかりと学んでおかなくてはならないというのに、この男の下について大丈夫なのだろうか。
清四郎は同心という仕事に誇りを持っていた。まだこの任について幾日も経ってはいないけれど。
「武」をもって治安維持に努める。これこそ侍の本質にもっとも近い任ではないか。
だとすれば、やはり「武」を尊ぶべきか。
いやしかし、下手人を追うためには兵法が大事になる。
いやいや、追い詰めた下手人を捕まえるには剣の腕が重要……しかし学がなければ追い詰めることすら……いやいや……
「また考えごとか。暢気でいいなぁ」
揶揄する声に、我に返る。
そうだ、今は大事なお役目の最中。
「……申し訳ありません」
この調子では、この男の不真面目を責めるわけにはいかない。
清四郎はすうと息を吸い、緩みかけていた気を引きしめた。
「よう、邪魔するぜ」
いきなり暖簾を潜った宗兵衛を追って、清四郎も慌てて店内に入った。
昼時の蕎麦屋は混雑している。その合間を縫うように、娘がてきぱきと客を捌いていた。
「はーい、いらっしゃい……おや旦那。随分とお久しぶりです」
どうやら顔なじみらしい。まさか見回りを口実に、娘の尻を追ってでもいるのだろうか。
「新しいのが入ったんでな。色々帳面仕事しなきゃならなくてよ」
「ああ、こちらが。蕎麦屋の娘でたみと申します」
忙しいだろうに、たみと名乗った娘は丁寧に頭を下げた。
だが清四郎にとってはいらない事でしかない。
「ああ。……それより宗兵衛さん、今はお役目中です。何故こんなところに」
「腹減っちまってな。おたみちゃん、とりあえずかけふたつ頼まぁ」
「あいよ、かけ二丁。……旦那、たまにはも少しいいもの注文してくださいよ」
「そんな余裕があったら酒飲むさ」
楽しげな軽口を交わす宗兵衛の姿は、清四郎にとっては不真面目にしか見えなかった。
「まだお役目の最中です。のんびり蕎麦など喰っている場合じゃないでしょう」
「侍だって腹ぁ減らぁな。腹が減っては戦は出来ぬと言うじゃねぇか」
いらいらする。食事をするなと言っているのではない。今は食事をするべき時ではないと言っているのだ。
「武士は喰わねど高楊枝とも言います」
「はは、ちげぇねぇ。でもま、もう注文しちまったからな。もったいねぇから喰ってくれ」
確かに、このまま出て行けば蕎麦屋にも迷惑になるだろう。
清四郎は、今日何度目になるかわからないため息をついた。
次に来たのは何の変哲も無い長屋だった。
他よりは幾分大きめだろうか。だがその他に何か変わったところなどはない。
「ごめんよ。長五郎はいるかい?」
しかし、入り口を潜ったとたん、清四郎は目を疑った。
札を持った客たちが横に並び、その前に壺を持った男が控えている。
どう見ても賭場だった。
「おお、こいつは旦那。見回りご苦労様です」
宗兵衛の声を聞きつけて奥から出てきた男は……清四郎の思っていたのとはかなり違っていた。
まず、服装がみすぼらしい。
いや、取り立ててみすぼらしいと言うわけでは無い。だが、親分と呼ばれる身分なら、それなりの格好をしているものなのではないか。
これでは、町で見かけても気がつきすらしないだろう。
「どうだい、最近の調子は」
「へい、まずまずってところですな。可も無く不可も無く」
「何にも無きゃそれが一番ってこった」
宗兵衛の態度は蕎麦屋の娘と話している時と全く変わっていなかった。
目の前で賭場が開かれている同心の態度ではない。
「……それはいいが、賭け事はご法度だ。奉行所で話を聞かせてもらおう」
この男は頼りにはならない。前からそう思ってはいたけれど、清四郎はとうとう宗兵衛を見捨てる事にした。
けれど。賭場の中で、清四郎の態度を気にしているものは一人もいない。
「まま、細けぇことはいいじゃねぇか。親分、丁に一枚張るぜ」
その声に慌てて視線をやると……いつの間にか札を手にしていた宗兵衛が、ちゃっかりと賭博に興じていた。
「そ、宗兵衛さん! あなた、同心ともあろうものが賭け事など……」
「ま、一回だけな。どうせ二回張るだけの銭はねぇし」
こうなると、もう親分たちを引っ立てることも出来ない。
賭けに参加している宗兵衛も同罪。同心が賭博で捕まるなど、奉行所の恥になってしまう。
清四郎は天井を仰いだ。
「ははは、まいったな。蕎麦代と合わせてすっからからんだ」
一回だけだといったものの、それで済む訳が無い。
苦虫を噛み潰したような顔で眺めているだけだった清四郎はともかく、宗兵衛はもう有り金全て毟り取られていた。
「それよりも! いいんですか? 賭場を取り締まるどころか、自ら賭けに加わるなど! あんなに負けて解ったでしょう。賭場がどれほど危険なところなのか。これを機会に、町中の賭場全て取り潰すべきです」
鼻息を荒くして捲くし立てる清四郎に、宗兵衛はいつもどおりへらへらと笑って見せた。
清四郎は、自分を怒らせるためにわざとやっているのではないかと疑っていた。
「確かに賭け事は禁止されてらぁな。悪い事だなんてことはわかってる。でもよ、あの賭場じゃぁ、動く金は微々たるもんで、どんなに負けても晩メシを我慢すれば済む程度。罪のねぇ遊びに目くじら立てるこたぁねぇじゃねぇか」
「そういう問題じゃないでしょう! ああやって集めた銭が、どんな使われ方しているのだってわかったもんじゃない」
賭博は犯罪だ。犯罪で集められた銭は大概犯罪に使われるなんてことは、考えなくても想像がつく。
しかし、やはり宗兵衛は全く動じなかった。
「親分って言ってもな、ヤクザというよりは町の取締役みてぇなもんだ。賭場に集まった金は、町の整備とか祭りとかに使ってんだ。悪い事に使うわけじゃねぇ」
「でも、だからといって……」
それでも禁止されていることには変わりない。
いいことに使ったからといって、集められた銭が綺麗になるわけでもない。
「いいじゃねぇか。調子に乗って大損しても、もちろん無理な取立てなんざねぇ。誰も不幸になんならねぇんだ。だったらよ、一日の最後に賭場に行く楽しみくれぇは残しておいてやりてぇじゃねぇか」
「……言っている事は解ります。でも、だからといって禁止されている事を見逃す理由にはなりません」
「そうやって肩肘張ってると、一番大事なことを見逃しちまうぞ?」
清四郎はびくっと肩を震わせた。
一番大事なこと。
侍として、一番必要なこととは、何か。
それは、清四郎が常に考えてる事だった。
「……先に戻ります」
それでも、今日の素行を見る限り、宗兵衛がそれを知っているとは思えない。
清四郎は宗兵衛を置き去りに、奉行所への帰り道を急いだ。
次の朝、清四郎は思い足取りで番所の入り口を潜った。
一番大切なこと。
昨日宗兵衛から聞かされた言葉が、頭の中でぐるぐる回って、寝付くことが出来なかったからだ。
「清四郎、行くぞ」
声をかけてきたのが誰なのか確認するまもなく、清四郎は入ってきたばかりの敷居をまたいだ。
「宗兵衛さん、何があったんですか?」
大変なことがあったのだということくらいは、普段とは違う宗兵衛の背中でわかる。
「盗みだ。昨夜、たまたま留守にしてた家に盗賊が押し入りやがって、金目の物を盗まれたそうだ」
同心になって初めての事件だ。
清四郎は体が武者震いするのを感じていた。なんとしても、自分の手で解決してやる。
「では、盗みの現場に行って調べるんですね?」
「いや。そっちにゃ他の奴らが向かってる。俺たちは町の奴らを当たる」
清四郎はがっくりと肩を落した。
聞き込みが重要だという事くらいはわかっている。
しかし、期待していたことと比べれば、あまりに地味すぎる。
「……わかりました」
それでもそれが任務なら仕方ない。
清四郎は頷いた。
「親分、いるかい?」
宗兵衛が真っ先にやってきたのは昨日の賭場だった。
本当なら、また取り締まりについて問答するべきなのだろうが、今はそれどころではない。
「上がらせてもらうよ。……昨夜の話は聞いたかい?」
「へい。この町で盗みに入るたぁ、まったくふてぇ野郎ですぜ」
もちろんこの早い時間では、まだ賭場は開いていない。
なのにすでに親分は賭場に出ており、しかも昨日の盗みのことを知っているようだった。
「ここで待たしてもらっていいかい?」
「もちろんでさ」
まるで当然のように上がりこむ宗兵衛に……清四郎は慌てた。
「何してるんですか! 私達は聞き込みに回るんでしょう!?」
「ま、落ち着け。焦ったってどうにもならねぇよ」
その暢気な言葉に、流石の清四郎もキレた。
「焦らないでどうするんですか! こうしている間にも、下手人は逃げて行ってるんですよ! ……いいです。私一人でも下手人を探しに行きます」
もう宗兵衛にはついていけない。元々信用など出来ない相手だったのだ。
後ろも見ずに飛び出す清四郎を、しかし宗兵衛は止めなかった。
「……いいんですかい、旦那?」
「ああ。納得いかねぇってんなら自分のやりたいようにやらせるさ。それで何かわかれば御の字だしな」
宗兵衛は、開いたままの入り口を気にもせずに、ごろりと横になった。
走り回り、駆けずり回り、それでも清四郎はそれらしいことを聞けずにいた。
町は広い。盗みの現場近くならともかく、それ以外の場所で聞き込みをしても、情報など簡単に入ってくるわけが無い。
回りまわって宗兵衛と別れた賭場の近くまで戻ってきたのは、そろそろ夕方になろうかという時間だった。
戻ってこようとして戻ってきたわけではない。
まだ不慣れな場所ゆえに、迷っている間に戻って来てしまったのだ。
こんなところでのんびりしている暇は無い。再び聞き込みに戻ろうとして、清四郎は立ち止まった。
もう夜も近い。そろそろ番所に戻ることを考えなければいけないし、宗兵衛自身は役に立たなくても、他の同心達から情報が入っている可能性もある。
清四郎は仕方なく賭場へと戻った。
「よお。思ったより早かったな」
くつろいで茶を啜っている宗兵衛を殴りたい衝動を我慢するのに、清四郎にはこれまでに無いほどの忍耐力が必要だった。
「もしかして、今までずっとここにいたんですか! みんな必死で走り回ってるってのに!」
「まぁ慌てんなって。そろそろのはずだからよ」
そろそろって、何が……
そう聞く必要はなかった。
「親分、親分!」
入り口に突っ立っていた清四郎を突き飛ばさん勢いで、男が飛び込んできたのだ。
「おお、勘九朗、なんかわかったか」
「盗人の居場所、わかりやした!」
「何処だ!」
初対面の男に、清四郎は掴みかかった。
本当は昨日の賭場で会っているのだけれど、清四郎はそんなところまで見てはいない。
「いや、あの、神社の裏手のお堂に、怪しい奴がいるって……見かけた奴の話でも、風体が間違いねえってことでした」
「でかした! 清四郎、行くぞ」
清四郎よりも早く、刀を片手に宗兵衛が立ち上がった。それから走り出すまでには、呼び止めるほどの間もない。
そこには先程までのだらけた雰囲気はどこにもなかった。
それに気おされるように、清四郎は慌てて後を追った。
「ああ、旦那! こっちでさぁ」
全力で走って辿りついた神社では……もうすでに、盗人が取り押さえられていた。
他の同心や岡引の仕事ではない。
下手人を押さえつけているのは、全て普通の町人たち。
腕に自信があるようにも見えない。本当に、普通の町人。
「すいやせん、旦那が来るまで待とうと思っていたんですが、その前に逃げられそうだったんで……思わず捕まえちまいました」
「そうか、ご苦労。だがよ、無茶すんのだけはやめてくれよ」
「へえ。気ぃつけやす」
その様子を見て、清四郎は呆然としていた。
今日一日。清四郎はくたくたになるまで走り回って盗人を探していた。
見付かれば、当然盗人は激しく抵抗するだろう。命のやりとりになるような大捕物も覚悟していたのだ。
それが、探し回った自分の努力は何の役にも立たず、気がつけば町人たちが見つけ、気がつけば町人たちが召し取っている。
同心である、侍たちの出番すらなく。
「何してる清四郎。引っ立てるぞ」
声をかけられ、清四郎は慌てて縄を取り出した。捕まえて終わりというわけではない。
番屋まで連れて行ってその後取調べをし、仲間がいればそいつらも捕らえなくてはならない。
「驚いたって顔だな?」
気に喰わなかった宗兵衛のにやにや笑いも、今の清四郎にはそれどころではなかった。
「はい。私達侍が捕まえなければならない下手人を、町人たちが捕まえてしまうなんて……」
清四郎が思っていた捕物とは全く違っていた。
はっきり言って、頭の整理がついていない。
「なあ、清四郎。俺ら同心の目的ってのはなんだ?」
だから清四郎には、宗兵衛の質問の答えが直ぐには出てこなかった。
「……下手人を捕まえること、です」
「違うな。同心の目的ってのは、町人たちの暮らしを守ることだ。下手人を捕まえるってのは、そのための方法にすぎねぇ」
確かにそうだった。下手人を何故捕まえるのかと聞かれれば、答えは町人が安心して営みを続けられるようにするため以外に無い。
「だからな、下手人を捕まえるために町人の暮らしを壊すなんてのは本末転倒だ。みんなが楽しみにしてるってえんなら、罪のねぇ賭場を目こぼしくらいはしてやらなきゃいけねぇよ。手段と目的を取り違えちゃいけねぇ」
それは、そう、なのだろうか。
だからといって、禁じられていることを見逃していいことになるのだろうか。
「町人だってな、生きてんだよ。泣きも笑いも怒りもするし、一から十まで守ってやらなきゃならねぇほど弱くもねぇ。侍と全く違やぁしねぇんだ。今日で解ったろうが?」
黙って頷く。
「侍だけで出来る事なんざ幾らもねぇ。たしかにな、下手人を追い詰めるにゃ学も大事だ。下手人とやりあう剣の腕も大事だ。しかしな、そのどちらも無くても、こうして下手人を捕まえることは出来る。町人たちが協力してくれりゃあな」
また、黙って頷いた。
「俺にゃあな、侍の理想なんて難しいたこぁわからねぇ。でもな、侍である同心に必要な能力ってのはわかってるつもりだ。町人たちを信頼して、町人から信頼されることだ。そうすりゃあ、他の力が足りなくたって下手人を捕まえられるし、町人たちゃぁ笑って暮らせる」
清四郎はまた頷いた。
さっきまでの自信の無い頷きではない。確信に満ちた頷き。
侍は、侍しかいないのでは侍にはなれない。町人がいて、農民がいて、商人たちがいて、それに相対して初めて侍でいられる。
彼らと上手く付き合うことが出来、お互いの存在をより良く高め合える。
それこそが、侍に一番必要な能力ではないのだろうか。
「邪魔するぞ」
清四郎は賭場の敷居をまたいだ。
毎日のように訪れるこの場所は、もうふたつめの自分の家と言っていいほどだ。
「旦那、また来たんですかい? 旦那が来た日は儲けが出なくてかなわねぇや」
情けない顔をしながらも、長五郎は笑顔だった。
あれからもうふた月ほど経っている。
今ではすでに、この辺り全て清四郎ひとりに任されていた。
何度か事件もあったけれど、拙いながらもなんとか同心としての仕事をこなせるようになっている。
もちろん、それは町人たちの協力があってこそのこと。
「当然だろう。わざわざ負けに来たりしないからな。今日も稼がせてもらうぞ」
そうは言っても、もちろん過剰に勝ちすぎたりはしない。勝っても蕎麦一杯程度。それ以上になる前にやめる。
「毎度ー。蕎麦五人前お持ちしましたー」
基本的にたみの蕎麦屋は出前はしないのだけれど、この賭場だけは別だった。
蕎麦屋からそう遠くはなく、客も纏まっている。
蕎麦屋が込んでいる時には、この賭場に来て注文する客もいるくらいだ。
「たみさん、すまないがもう一枚頼む」
「あ、はーい、毎度ー。旦那、たまには店の方にも来て下さいよ」
何故だか頬を赤くするたみの姿に、長五郎はにやりと笑った。
「おたみちゃんは旦那に会いたくて仕方ねぇってさ」
「もうっ、何言ってんですか!」
慌てて否定するけれど、顔を真っ赤にしていてはからかいの対象にしかならない。
「いやー、仲良いってのはうらやましいねぇ」
「そんなこと言って、親分さんの方が怪しいんじゃないですか? 毎日毎日、旦那が通って来てるんですから」
「ははは、違げぇねぇ」
こうして町人たちの中にあっても、皆侍としての清四郎を頼り、尊敬し、支えてくれている。
勿論、まだ足りない部分、ぎこちない部分も沢山残っている。
でも、今、清四郎は間違いなく自分の求めていた、侍として一番大切な能力を磨き続けていられている。
そう、確信していた。
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プロフィール
- 名前
- 未田 尚(まだ なお)
- 通称
- にゃー
- お仕事募集ちう。
- 文章を書く関係ならなんでも。
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