キリ番
『学校という特殊な環境における都市伝説、いわゆる(以下略)』
キリ番3900
リク主:Pさん お題 :『●コメディ』『学校の怪談』『ほのぼの』『大学生』
『学校という特殊な環境における都市伝説、いわゆる学校の怪談というものについての児童心理的アプローチ』
「あ、おはよー。一講義目の授業は一緒だっけ? がんばろーねー」
「ていっ」
「ひぐっ。痛いー、なんでいきなりぶつのー?」
「アンタが言ってくれないから今日の今日まですっかり忘れてたじゃないの」
「ええー? でも授業は毎週のことだから、忘れるのはおかしいよー?」
「授業じゃなくて、レポートの締め切り。今日だったでしょ」
「ええ、そうだっけ? 私もすっかり忘れてたよー」
「全く、アンタはいつもノンキなんだから。ほら、時間がないからこの授業中に一気に書いちゃうわよ」
「うん、頑張るー。……でも、何のレポートだっけ?」
「ほら、児童心理のヤツ。先週出たでしょ?」
「へー。……児童心理って何ー?」
「子供の心がどうこうってアレよ。教免とるのに必須のヤツ」
「そっかー。……でもわたし教職とってないから、多分その授業もとってないよー?」
「まぁ、授業中に会ったことはないわね」
「……わたし何でぶたれたの?」
「やつあたり」
「あうー」
「とりあえずテーマを決めましょう。児童心理を考えるきっかけになるものと言えば?」
「……難しいことわかんない」
「つまり子供にありがちな特有の行動とかのことよ」
「えっと……スカートめくり?」
「……アタシずっとズボンだったからわからない。次」
「おっぱいタッチ?」
「イヤミかっ、それはそのチチ故のイヤミかっ」
「ええーん、おっきくたっていいことないよー」
「馬鹿な男がいくらでも寄ってくるでしょう。このおっぱいハーレムが」
「多分それ意味逆だと思うよー。……というか、そーゆー男の人が寄ってきて嬉しいの?」
「はっ倒してやるわね、アタシなら」
「じゃあ何で怒るのー」
「ひがみよ。で、後は?」
「んー……ブラのホック外し?」
「……アンタの頭の中がエロエロなのはわかったから。エロくないのはないの? 行動以外でも、好きな物とかよく話に上る話題とか」
「ぶー、エロくないよー。……子供がよく話すことと言えばー、学校の怪談とか?」
「学校の怪談……うん、悪くないわね。学校の怪談といえば?」
「んー……誰もいないはずの教室で授業やってるとか?」
「ああ、在学中に亡くなった生徒たちがやってるとかいうヤツね」
「そうそう。今は夜間学校とかもほとんど廃止されてるみたいだから、夜くらい貸してあげてもいいのにねー」
「そんなわけあるか。……でもそれって少子化のせいよね。教師志望には厳しい時代だわ。で、それから?」
「えっと……歩く二宮きんじろー?」
「夜に動き出すってヤツね。今ではすっかりマイナーになっちゃったけど」
「二宮くん自体見かけないからねー。昔はあれで一生懸命勉強しろ、働けって教わったんだけど」
「二宮君ゆーな。撤去されたのはね、日教組の仕業よ」
「なんで?」
「働きたくないんでしょ? 悪名高いゆとり教育もヤツらが言い出したんだし、教員免許更新制度を潰したのもそうだし。怠け者でも生きていける主義の人たちだから。ま、教員目指してる身としては、楽になって良かった気もするけど」
「せんせーになったら、にっきょーその人になるの?」
「誰がなるか。むしろ抵抗してやるね。アタシは金八先生みたいになるんだ」
「でも金八先生ってにっきーそだよ?」
「うわあああ! 言うな、それを言うな!」
「えっと……ごめんね?」
「……いや、いい。ほんとはそうじゃないかと思ってたんだ。……TBSだし」
「えっとね……明日はきっと晴れるよ」
「慰めになってない……」
「えっと、あとはね、えっと……あ、夜のプールで泳いでる生徒がいるってゆーのは?」
「はー……。不用意に近づくと引きずり込まれちゃうとかな。あんまりメジャーじゃないのは、やっぱりプールがある学校とない学校があるからか?」
「きっとね、児童ぽるの法で捕まっちゃうからだよー」
「いや、出る方のお化けは児童ポルノ法のことなんか考えないだろ」
「えー? だって自分の子供のお風呂の写真とか撮ったら逮捕されちゃうごじせーなんだよ? 水着の写真でもいけないんだよ? オリンピック水泳に高校生のほーぷ、なんて人が出たら、放送局も録画した人もまとめてみんな逮捕されちゃうんだよ?」
「どんな自爆テロだよそれ」
「だからプールの生徒だって、しょうこだー、なんていって写真とったら逮捕されちゃうんだよ? やっぱり出るほうにも気を使って貰わなくちゃー」
「一応な、まだ施行はされてないから、それで出なくなったんじゃないと思うぞ」
「あとはー、……トイレの花子さん?」
「うん、定番中の定番だな。花子さんの特徴と言えば?」
「えっと、花子さんだけにー……頭の中がお花畑?」
「そりゃアンタのことでしょうが!」
「ちがうよー、お花畑じゃなくてお花屋さんだよー」
「はいはい、頑張って家業を継いでください」
「うん頑張るー」
「……まったくイヤミが通じない」
「ねー、一緒にお花のこと考えよーよ。頭の中お花でいっぱいにすると、とっても幸せだよー。うふふ、うふふふふ」
「全く、おばけだって気楽な商売じゃないんだから、そんなんで務まるわけないでしょう」
「えー? でもそうりだいじんならつとまるんでしょー?」
「お花畑っつーか金星からの電波っつーか。でもおばけと総理大臣は違うでしょうが」
「そっかー。おばけって総理大臣より大変なんだねー」
「いや、務まってるかってーとそうでもない」
「でもなれるんだよねー。それから、あとお花屋さんもー」
「……オマエ、全国のお花屋さんに謝れ」
「『ごめんねごめんねー』と『謝ればいいんですかどうもすみません』とどっちがいいー?」
「……馬鹿になるから変な番組見るなっていつも言ってるのに」
「えー? 人生ちょっとおバカなくらいの方が楽しいんだよー?」
「アンタを見てるとよくわかるわ。……でもどうするのよ、これ。ここまでやって来て、まだ方向性すら見えやしない」
「えー? そーゆーのはねー、『学校で怪談が語り継がれるのは怖い物見たさであるのと同時に情報共有化による仲間意識を作り上げるためであり場合によっては成績や運動で他の児童の注目を集められない児童が創作もしくは以前からあった話に新要素を付加して話すことによりコミュニケーションをとる場合も見られ学校や学級をまとめるのに有益であるが触発されて危険な行為をとるなどの問題が起きないように留意する必要がある』、みたいなことを、あさーくひろーくてきとーにならべとけばいーんだよー」
「適当にってオマエな」
「だってー、まじめにべんきょーしてるんならともかくー、単位とるだけのレポートならじゅーぶーん。あ、『留意する必要がある』ってゆーのポイントねー。ここで今までの話全部うやむやにするのー」
「あー……まあ確かに、単位さえとれりゃいいことはいいんだけど」
「それじゃダメ? じゃあねー、『現代の児童はインターネットによる情報共有化が進んでおり各学校毎の怪談の内容も類似化していることから児童心理の共通化も進んでいると言える』、みたいなことも付け加えとけばー? お年寄りのせんせーは、いんたーねっとって言っとけば、とりあえず納得するからー」
「オマエ……相変わらず黒いな」
「えー? うちには黒い花は置いてないよー?」
「そういうことじゃねーよ」
「あとはー、卒業式なのに掲揚して貰えない国旗と歌って貰えない国歌ののろいとかー」
「……オマエわかってやってるだろ」
続き
『雀』
『姉弟ということ。』
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- 未田 尚(まだ なお)
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