楽天市場
[無料でホームページを作成] [通報・削除依頼]

BLOODY BODY


国分刑事は見た

懸命な目撃情報収集を始めてから1週間が経った。八尾は家で寛ぎジクソーパズルで遊んでいた。200ピースで構成されたピースを一つ一つ合わせていくのは大変だが、八尾はこういうのが好きだ。ピースを合わせながら八尾は事件の捜査とジクソーパズルは似ているなと思った。手がかりと言う名のピースを一つ一つ見つけては何度も辻褄が合うように考え、最終的には解決と言う名のパズルの完成となる、と八尾は考えた。しかし現在の事件はピースこそ出てくるがぴったり組み合わさるものはほとんど出てこなかった。40分ほどでパズルはあと数ピースでまもなく完成となった。その時、携帯電話が鳴った。
「もしもし?」
「国分です。今小樽に居ます」
「お袋さんは大丈夫かい?」
「ええ、少しずつ回復してきましたよ」
「それはよかったな。んで、何かあったかい?」
「実はですね…」
ここで国分は間を置いた。すかさず八尾は促した。
「何だ?もったいぶらないでくれよ」
「例の奴、札幌で見たんです…」
「例の奴って…も、もしかして?」
「桂言葉。小柄で長い髪と大きな目をもつ女だ」
「!!!」
八尾は言葉を失った。
「ほ、本当か?いつ見かけたんだ?どこへ行った?」
「一昨日です。江別の姉夫婦の家に行くために札幌駅で電車を待っていたら函館から来た特急から降りたんです。その時は言葉だとは思わず、妙に気になっただけでした。しばらく目で追っていると小樽行きの電車に乗りました」
「そうか…いよいよ見えてきたな。じゃあ切るよ。今すぐ署に行ってハゲで中年太りで目障りな上磯に頼んで北海道に飛ばしてもらう」
「無茶苦茶言うなよ。上磯さんは昔は優秀な刑事だったんだからな」
「昔がそうだから今もそうとは限らんよ。んじゃ」
八尾は携帯電話を切り、勢いよく立ち上がった。その時座卓に足をぶつけ、座卓はひっくり返り、パズルは全部バラバラになった。しかし八尾は気にしなかった。今はそれどころではないのだ。

プロフィール

プロフィール画像
中之島堂書店
画像はロゴマーク。

中之島堂書店NEWS

123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930
QRコード
携帯用QRコード
アクセス数
ページビュー数