BLOODY BODY
その女は…
覚悟した八尾は次の瞬間勢いよく振り向き、言葉の右手を掴みぐいっと曲げノコギリを落とさせた。八尾の首が切られることはなかったが、振り向いた弾みで左の二の腕にノコギリが当たり、その時に言葉が引いたため服は裂け、僅かに出血していた。
「八尾、大丈夫か?」
「ああ。そして見事に捕まえることが出来た。間違いない。こいつが桂言葉だ」
前橋は八尾が言うには桂言葉という座り込んでいる人物に声をかけた。
「さっきもこの背の高い野郎に訊かれたと思うが、お前は桂言葉か?」
「…はい。私が桂言葉です」
「西園寺世界を学校の屋上で殺ったのはお前か?」
「そうです…」
「そうか。そう言えば指紋の照合はしたかな?八尾」
八尾はぼーっとしていた。声を掛けられ「うえぁっ?」と変な声を出した。
「指紋か。特急の中で電話したら屋上への入口のドアノブとノートの指紋照合は済んで結果が出たって。照合結果は見事に一致した」
「とりあえず終わりだな。八尾、君と一緒に組んで仕事が出来たことに感謝する」
「俺もだ。前橋、君に感謝しているよ」
2人はそう言い合い静かに笑った。すると、八尾が突然あっと言った。
「伊藤誠の件はどうなった?首はどうしたんだろ」
「すっかり忘れていたよ…どうしたんだ?」
「ここにありますよ」
言葉が小さな声でそう言った。八尾と前橋はお互いに顔を見合わせた。
「このバッグに首があるだと?見せてくれ」
「自分で開けて下さいよ…」
八尾は舌打ちし、やや震える手でファスナーを引いた。バッグの中に手を入れる前に手袋をした。中を手探りで調べてみると、上部はふさふさしていて、耳や鼻と思われる凹凸があった。持ち上げてみるとそれは…
首であった。伊藤誠のものだ。八尾は大して驚かなかった。職業柄こういう惨いものには慣れているのだ。
「何でこんなことをしたんだ?」
「ずっと一緒に居たかったんです。体の全部は無理だとしても一部だけなら出来ると思って…」
その言葉に八尾は唖然とした。そして小声で「こいつは病んでる」と言った。周りで赤い光が見え、顔を上げるとパトカーが到着していた。八尾がバッグの中身を確認している間に前橋が呼んだのだ。
「ほら、お迎えが来たぞ。立て」
言葉は素直に立ち上がった。パトカーに直前に八尾にこう言った。
「あの…牢屋には何年ぐらい居ることになるんですか?」
「それは分からないが、こんなんだと結構長そうだな…」
「そうですか…」
横の警官が早く乗るように促したため、言葉は車内に入った。それと同時に言葉を乗せたパトカーは出発した。八尾と前橋はもう1台のパトカーに乗った。
「やれやれ。終わったな。全くあの女は何なんだよ…」
と前橋は八尾に声をかけた。が、八尾は沈黙していた。しばらくして前橋にこう言った。
「あの女の気持ちはよく分かるよ。好きな人を失って辛かったんだろうね。そして命を奪った奴を憎み、殺ってしまったんだな」
「八尾…」
前橋は言葉を失った。八尾らしからぬ発言だったのだ。
「八尾、大丈夫か?」
「ああ。そして見事に捕まえることが出来た。間違いない。こいつが桂言葉だ」
前橋は八尾が言うには桂言葉という座り込んでいる人物に声をかけた。
「さっきもこの背の高い野郎に訊かれたと思うが、お前は桂言葉か?」
「…はい。私が桂言葉です」
「西園寺世界を学校の屋上で殺ったのはお前か?」
「そうです…」
「そうか。そう言えば指紋の照合はしたかな?八尾」
八尾はぼーっとしていた。声を掛けられ「うえぁっ?」と変な声を出した。
「指紋か。特急の中で電話したら屋上への入口のドアノブとノートの指紋照合は済んで結果が出たって。照合結果は見事に一致した」
「とりあえず終わりだな。八尾、君と一緒に組んで仕事が出来たことに感謝する」
「俺もだ。前橋、君に感謝しているよ」
2人はそう言い合い静かに笑った。すると、八尾が突然あっと言った。
「伊藤誠の件はどうなった?首はどうしたんだろ」
「すっかり忘れていたよ…どうしたんだ?」
「ここにありますよ」
言葉が小さな声でそう言った。八尾と前橋はお互いに顔を見合わせた。
「このバッグに首があるだと?見せてくれ」
「自分で開けて下さいよ…」
八尾は舌打ちし、やや震える手でファスナーを引いた。バッグの中に手を入れる前に手袋をした。中を手探りで調べてみると、上部はふさふさしていて、耳や鼻と思われる凹凸があった。持ち上げてみるとそれは…
首であった。伊藤誠のものだ。八尾は大して驚かなかった。職業柄こういう惨いものには慣れているのだ。
「何でこんなことをしたんだ?」
「ずっと一緒に居たかったんです。体の全部は無理だとしても一部だけなら出来ると思って…」
その言葉に八尾は唖然とした。そして小声で「こいつは病んでる」と言った。周りで赤い光が見え、顔を上げるとパトカーが到着していた。八尾がバッグの中身を確認している間に前橋が呼んだのだ。
「ほら、お迎えが来たぞ。立て」
言葉は素直に立ち上がった。パトカーに直前に八尾にこう言った。
「あの…牢屋には何年ぐらい居ることになるんですか?」
「それは分からないが、こんなんだと結構長そうだな…」
「そうですか…」
横の警官が早く乗るように促したため、言葉は車内に入った。それと同時に言葉を乗せたパトカーは出発した。八尾と前橋はもう1台のパトカーに乗った。
「やれやれ。終わったな。全くあの女は何なんだよ…」
と前橋は八尾に声をかけた。が、八尾は沈黙していた。しばらくして前橋にこう言った。
「あの女の気持ちはよく分かるよ。好きな人を失って辛かったんだろうね。そして命を奪った奴を憎み、殺ってしまったんだな」
「八尾…」
前橋は言葉を失った。八尾らしからぬ発言だったのだ。
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