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肉食系少女と皮膚食系少年

第1章 闇の世界の支配者編
第21節

あたしがラクア様にお仕えする理由、それは、あたし自身を守るため。
あたしは今まで何人もの支配者にお仕えしてきた―――みたい。
代々支配者様は、代替わりをなされる際にあたしの記憶を消していったと聞かされた。
支配者様たちは、『ロスト』で唯一お傍にいるあたしに何か弱みを握られまいと、ご自身の危険を減らすためと、私の記憶を消すと。
そしてそれは、あたし自身のためでもあると思い続けてきた。
でもそれは違うと気付かせてくださった方こそがケルザス様。ケルザス様はあたしの救い主。
ケルザス様が代替わりなさる直前、あたしをお呼びされ、そして優しく仰った。
「わしはもうそう長くは無い。わしに何か害を及ぼすような情報とやらを知っていたとしても、お前は何も罰は当たらないだろう。今までの支配者はどうも自分勝手だ。しかし、わしはお前の記憶を消す真似だけはせんぞ。だから―――」
ケルザス様は本当に温かいお方でした。
でもラクア様の代になったとたん、何かが変わった。
闇の世界が、狂乱・破滅の方向へ向かおうとしている。
否、すでに向かっている。
ケルザス様は仰った。
「支配者の欲こそがこの世界の命運を握っている」
と。
今まで均等に保たれていた2つの世界は、まさに崩れんばかりの勢いで比率が変動している。闇の世界は、光の世界の3割をすでに飲み込んでいるという。ラクア様の支配欲はあたしの予想を遥かに超えてあまりにも大きいかった。欲を抑えてもらうよう頭も使った。でも結果は逆効果。心の奥に秘めていたその欲とこの世界が照らしあわされた結果がこれ。このままでは光の世界がなくなってしまう。そしてそれは、闇の世界を窮地に追い込ませ、闇の世界までもが終わりを迎えてしまう。
あたしがなんとかしなければ……そう、できることはある。
私自身を守るため、私の欲はそれだけ。
そう、今こそ―――

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