水晶屋日記

2008年8月24日 22時33分 (Sun)

川のきらめき 沿岸の原始河川

川のきらめき 沿岸の原始河川8月19日早朝 5:30
雨音で目が覚めた。いや、遠くから聞こえる人の話し声のせいかもしれない・・。非日常感。旅とはそういうものだ。
そうだ、夕べは9時に仕事が終わりその足で2時間かけてここまできてそのまま車で寝たんだっけ・・。それにしても雨が強い。話し声の方を見て見ると若い男女3人グループが雨宿りがてら朝食をとっていた。ここは道の駅岩泉。最近はこのような所で車中泊する人も多く、関東ナンバーの高そうなキャンピングカーもちらほら見かける。いい思い出を作っていって欲しいなあと思うほどにこの土砂降りが恨めしい。ゆうべは星空だったのに・・。
おにぎりとインスタントラーメンの簡単な朝食を済ませる。まだ6時半。待ち合わせの時間には少し早いかなと思ってたら電話が鳴った。ここもケータイつながる様になったんだ・・。電話の向こうからは懐かしいけど聞きなれた声。自称イワナ仙人、岩魚を釣らせたら日本一の称号を持つYさんだ。釣りバカが高じてニュージーランドまで遠征する強物だ。
感動!?の再会もそこそこに小本川下流を釣ってみる。ウェットのタックルをセッティングするがなかなかはかどらない。最近は石採りに浮気をしてしまいフライは久しぶりだ。そのうちにイワナ仙人がヤマメを釣り上げる。相変わらず激しい雨だが条件はさほど悪くないようだ。この川は当たればでかい。期待を込めて釣り下がるが反応がない。場所を変えることにした。2度ほど移動するうちにちっちゃいヤマメの入れ食いにあった。元気元気。人間でいえば小学生ぐらいか。あとふたまわりも大きくなってから再会したいものだ。でもチビヤマメとはいえ釣れればそれなりに楽しい。気づけばもう昼、雨は上がっていた。
またインスタントラーメンの昼食をとり、イワナ仙人からコーヒーをごちそうになる。お互い話のネタはたくさんあるのに無言・・。ちょっと疲れていた。重い流れの中でのウェットははっきりいって疲れる。お互い健康診断ではバリウムを飲まなければならないお年頃だ。若いふりをしてるけど20代からのつきあいだから分かる。それでもコーヒーを飲み干したらなんだかやる気が出てきて、安家川に向かい北上することにした。
安家川は思い出深い川だ。ダムも堰堤も一個もない、もはや日本では珍しい原始河川だ・・。通称「たまべん前」を覗いた後、これまた通称「やさしいポイント」に向かう。前に来たのは確かアテネオリンピックの年、川も少し変わっていた。やさしいポイントも近頃はキビシイと言う。
ここからは軽快なドライの釣りだ。朝の雨がウソのように晴れ渡ってきて、そしてイワナ仙人があっさりと34cmの岩魚を釣り上げた。立派な岩魚だ。思わず笑いがこみ上げた。このロケーションこのシュチュエーション・・あの頃と一緒だ・・。何時の間にか、もっとでかい魚を釣ってやろうと言う欲は僕の中から消えていた。この旅は僕の心の旅だったんだ。
ひぐらしの鳴く森の中で、僕は夢中で釣り続けた。岩魚が釣れた。虹鱒が釣れた。どの魚も宝石のようにきらめき・・・きれいだった。やがて日は傾き、森の先の集落では夕餉の気配が漂う。・・ここには日本の原風景がある。極論を言えば、ただ魚を釣りたいなら釣堀に行けばいいのだ。今日ここに来れて本当に良かった。
納竿し山根温泉経由で久慈市内のイワナ仙人宅へ到着。奥様と一人息子君とは4年ぶりの再会を果たした。幼かった息子君はすっかり「少年」になっていた。一瞬涙がこみあげたがその後は楽しい宴となった。
・・ありがとうと言うしかない。大げさかもしれないがこんなとき人は人によって生かされてると知る。ただ残念なのは人は得てしてそれをすぐに忘れてしまうことだ・・。今日のことは忘れまいと心に言い聞かせながら、至福の酒に酔いしれた。

川のきらめき、森のきらめき、郷のきらめき、人のきらめき・・・・・。










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