小説
出会い(3)
「もう一度聞く。お前は誰だ?」
胸の前で腕を組み、仁王立ちしたまま純一を睨む少女。
そんな少女を見て、閉口もらちがあかないと思った純一は一回、深いため息を吐く。
髪を一回、手で掻く。
「お前は誰だって、親に言われなかったのか。目上の人にはちゃんと敬語を使って話しなさいって。そう教わらなかったのかな?お嬢さん。」
とりあえず見た目で判断して、年上からの返答礼儀で口を開く純一。あきらかに目の前の少女は純一よりも年下に見えたから。だから、そういう態度をとった。
「お嬢さん?君は冗談を言っているのか?それとも、お世辞を言っているのか?私は人からお嬢と言われるような年齢じゃない。」
少女は、威圧的な素振りのままじっと純一を睨んだまま、ゆっくり横に歩を進める。
「人を見た目で判断しないことだ。一般的な物のとらえ方のままだと人間は進化しない。むしろ、退化していく。見方を一つ変えればそこから無限に広がる選択肢が生まれる。かの天才的な科学者・数学者はそう定義しながら生きてきた。。
今の現代人は古来の人々には文明的には優位的な立場にいるが、それは過去何千年・何万年にあった過去の文明の技術一つ一つが元になってきている。決して、この世の全ては現代人の発明なんかじゃない。古代人の努力の結晶だ。現代人は古代人に遠く及ばない。無論、君もその現代人の一人に入るんじゃないのかな?」
少女の話し方は少女らしからぬどちらかといえば純一が通う大学の教授達が使う口調に似ていた。顔に似合わずという事とはこの事だろう。
とにかく目の前の少女に馬鹿にされている。それだけは純一にもわかった。
「ま、そういう訳で私は少女じゃない。それだけはわかってくれ。で、君は一体誰だ?」
話が元に戻って、結局自分のことを話さなければならなくなった。純一は椅子から立ち上がり再度深い息を吐く。顔を下に背ける。
「俺の名前は井上純一。一応、この本屋のバイトとして働いている。それくらいでいいと思うが。」
純一が顔をあげると、少女は純一の説明も聞かないように、整列された本を一冊、一冊一指し指で抜いてはまた戻しの作業をしていた。
「おい。俺の話聞いてたのかよ。もしかして、聞いていなかったとかいうんじゃないだろうな?」
語気を荒くしながら少女に向けて喋る純一の声を聞いても、少女はひたすら手をやめなかった。
「おいっ!」
我慢も限度を超えたのか、純一の声が一番大きくなる。その声で少女の手は本に触ったところで止まった。
「そんな声を出さなくてもちゃんと聞いている。」
びびったりする様子もなく、ただ平然と答える少女に純一の不満は高まる一方。
「ところで・・・本に対していい手入れをしている。本と本の位置関係も素晴らしい。よほど君はこの仕事に関して熱意があるようだな。」
少女の予想は当たっていた。
人が来ないこの本屋で純一がすることとすれば、新刊本の整理やレイアウトを変えてみたり、特にほこりの除去にはきめ細かな性格ゆえに彼自身一番気を使って作業していた。
そんな事をほめているのか、それとも嘲笑っているのか。少女はいまだに本を触っていた。
「よし。私についてこい。もうひとつ、仕事を教えよう。」
何かを決意したのか、少女は本を触ることをやめ、ふぅっとその場で一息つくと、店内の奥へと歩いて行く。
「おいっ!」
まだもやもやしたまま、純一は少女の後ろについていく。
二人が立ち止まった場所は、スタッフ専用の部屋。いわゆる関係者以外お断りっていうやつだった。
しかし、この部屋に純一は入ったことがなく、何しろドアの前に何重にも南京錠が仕掛けられていて、入るにはカギが必要だった。
無論、入ったことがないのだからカギなど持っているはずがない。
すると、少女はカバンの中から一つキーケースを取り出し、そこから一つのどこにでもあるようなタイプのカギを取り出す。
そして、そのカギを南京錠にはめようとし・・・・ちゃんと入った。
南京錠を外し、カギをキーケースに戻す少女。
「おい。何でそんなカギもっているんだよ。君、ここの関係者なのか?」
純一の質問に少女が唇を歪ます。始めて見る少女の微笑。
「関係者、か。まぁいい、私の事はあとで教えるにするとして。さぁ入ろうか、君が今から始める新しい仕事場に。」
少女がドアを開ける。純一もドア先から部屋を見る。
純一はあぜんとした。
胸の前で腕を組み、仁王立ちしたまま純一を睨む少女。
そんな少女を見て、閉口もらちがあかないと思った純一は一回、深いため息を吐く。
髪を一回、手で掻く。
「お前は誰だって、親に言われなかったのか。目上の人にはちゃんと敬語を使って話しなさいって。そう教わらなかったのかな?お嬢さん。」
とりあえず見た目で判断して、年上からの返答礼儀で口を開く純一。あきらかに目の前の少女は純一よりも年下に見えたから。だから、そういう態度をとった。
「お嬢さん?君は冗談を言っているのか?それとも、お世辞を言っているのか?私は人からお嬢と言われるような年齢じゃない。」
少女は、威圧的な素振りのままじっと純一を睨んだまま、ゆっくり横に歩を進める。
「人を見た目で判断しないことだ。一般的な物のとらえ方のままだと人間は進化しない。むしろ、退化していく。見方を一つ変えればそこから無限に広がる選択肢が生まれる。かの天才的な科学者・数学者はそう定義しながら生きてきた。。
今の現代人は古来の人々には文明的には優位的な立場にいるが、それは過去何千年・何万年にあった過去の文明の技術一つ一つが元になってきている。決して、この世の全ては現代人の発明なんかじゃない。古代人の努力の結晶だ。現代人は古代人に遠く及ばない。無論、君もその現代人の一人に入るんじゃないのかな?」
少女の話し方は少女らしからぬどちらかといえば純一が通う大学の教授達が使う口調に似ていた。顔に似合わずという事とはこの事だろう。
とにかく目の前の少女に馬鹿にされている。それだけは純一にもわかった。
「ま、そういう訳で私は少女じゃない。それだけはわかってくれ。で、君は一体誰だ?」
話が元に戻って、結局自分のことを話さなければならなくなった。純一は椅子から立ち上がり再度深い息を吐く。顔を下に背ける。
「俺の名前は井上純一。一応、この本屋のバイトとして働いている。それくらいでいいと思うが。」
純一が顔をあげると、少女は純一の説明も聞かないように、整列された本を一冊、一冊一指し指で抜いてはまた戻しの作業をしていた。
「おい。俺の話聞いてたのかよ。もしかして、聞いていなかったとかいうんじゃないだろうな?」
語気を荒くしながら少女に向けて喋る純一の声を聞いても、少女はひたすら手をやめなかった。
「おいっ!」
我慢も限度を超えたのか、純一の声が一番大きくなる。その声で少女の手は本に触ったところで止まった。
「そんな声を出さなくてもちゃんと聞いている。」
びびったりする様子もなく、ただ平然と答える少女に純一の不満は高まる一方。
「ところで・・・本に対していい手入れをしている。本と本の位置関係も素晴らしい。よほど君はこの仕事に関して熱意があるようだな。」
少女の予想は当たっていた。
人が来ないこの本屋で純一がすることとすれば、新刊本の整理やレイアウトを変えてみたり、特にほこりの除去にはきめ細かな性格ゆえに彼自身一番気を使って作業していた。
そんな事をほめているのか、それとも嘲笑っているのか。少女はいまだに本を触っていた。
「よし。私についてこい。もうひとつ、仕事を教えよう。」
何かを決意したのか、少女は本を触ることをやめ、ふぅっとその場で一息つくと、店内の奥へと歩いて行く。
「おいっ!」
まだもやもやしたまま、純一は少女の後ろについていく。
二人が立ち止まった場所は、スタッフ専用の部屋。いわゆる関係者以外お断りっていうやつだった。
しかし、この部屋に純一は入ったことがなく、何しろドアの前に何重にも南京錠が仕掛けられていて、入るにはカギが必要だった。
無論、入ったことがないのだからカギなど持っているはずがない。
すると、少女はカバンの中から一つキーケースを取り出し、そこから一つのどこにでもあるようなタイプのカギを取り出す。
そして、そのカギを南京錠にはめようとし・・・・ちゃんと入った。
南京錠を外し、カギをキーケースに戻す少女。
「おい。何でそんなカギもっているんだよ。君、ここの関係者なのか?」
純一の質問に少女が唇を歪ます。始めて見る少女の微笑。
「関係者、か。まぁいい、私の事はあとで教えるにするとして。さぁ入ろうか、君が今から始める新しい仕事場に。」
少女がドアを開ける。純一もドア先から部屋を見る。
純一はあぜんとした。
プロフィール
- ニックネーム
- tosikosi
- 性別
- 男
- 血液型
- のほほんとしたおおっざぱなO型。
- 生年月日
- 9・9生まれのぞろ目。
- 所在地
- 京都府住人。生まれは福井
- 職業
- 大学生。
- 自己紹介
- ネタは突然浮かんでくるもの。それまでが長いですができるだけお待たせしないようにしっかり更新します!
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