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小説


出会い(4)

少女がドアを開けたその先には、一台のエレベータがあった。
 本屋は2階建て。これで2階でもいくのだろうか。
 「さぁ乗れ。今から仕事にいくぞ。」
 現代式のエレベータの扉が開く。中はどこにでもあるようなエレベータの内部だった。その中に少女と純一は乗る。
 「今回は・・・・6階か。ずいぶんとこの国じゃめずらしいケースの仕事だな。」
 少女が目を通していたエレベータのボタンを見て、純一は驚いた。
 2階建ての建物にエレベータなら2つの数字のボタンと開閉のボタンしかない。
 しかし、純一が乗ったエレベータには72個の数字ボタンがあった。
 「なんだ・・・・これは?」
 「人が死ぬ方法というものが今現在のこの世には72通りの方法があるというわけだ。絞殺、刺殺、交通事故・・・その他もろもろ。無論、新しい方法が発見されれば1つ増えていく。これが霊界エレベータ「ヴァルス」の特長だ。」
 「ヴァルス?」
 「本来、霊界と人間界というものは次元が違うものだった。しかし、ここ最近霊界が人間界に侵食し始めてきてな。人間の意識にまで介入するまでになった。
 介入された人間は精神を犯され、廃人になるものもいれば善人になるものもいた。
 善人はさておき、我々が最も警戒すべきなのは非常な殺人者となってしまう事だ。殺人者となってしまった者はたとえ霊を破滅させたとしても、待ち受けるは人生の終点。
 人生の終点を迎える者が最後に残すものは何だ?それは、遺言だ。我々は霊を祓うと共に遺言を聞き、近親者に伝える。それが我々GAW(ガウ)の仕事だ。今回の仕事先は6階。」
ヴァルスというそのエレベータのボタンで唯一、6の数字が点滅を繰り返していた。
 「6階には何があるんだよ。」
 「この国には中々現れないケース。むしろ、今回が日本初ということかな。」
 点滅している6階のボタンを少女が押すと、扉が開き動き始める。
 「いいか、絶対に私から離れるな。」
 「ああ。」
 やがて、ヴァルスは6階に近づいていく。
 「なぁ、聞きたいことがあるんだけど・・・。」
 「なんだ?」
 少女が純一の方に振り向く。短髪のショートボブの髪がかすかながらになびく。
 「あんたの名前、まだ聞いてないんだけど・・・・」
 「私か。私の名前は本条単(ひとえ)だ。」
 ヴァルスが6階に着き、チンという音が流れる。扉の向こうにはなにが待っているのか。
 「さあ、行こうか。純一君」
 単が扉を開く。
 そこには異次元の様相が広がっていた。

プロフィール

ニックネーム
tosikosi
性別
血液型
のほほんとしたおおっざぱなO型。
生年月日
9・9生まれのぞろ目。
所在地
京都府住人。生まれは福井
職業
大学生。
自己紹介
ネタは突然浮かんでくるもの。それまでが長いですができるだけお待たせしないようにしっかり更新します!

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