Short & present!
2 霧の守護者
2 霧の守護者
(・・・もう第三倉庫にはいないだろうから・・・)
無線も何もないので、頼れるものは自分の勘しかない。綱吉は目を閉じ、神経を一点に集中させた。
(感じろ・・・きっと『アレ』を使ってるはずだ・・・)
額の炎が揺れる。綱吉はゆっくりと目を開けた。
「・・・見つけた」
ポツリと呟くと、そのまま炎を逆噴射してその「感じた」場所へと向かった。
同時刻、第八訓練場。
硬いはずの壁には大きなヒビが所々に入っていて、あちこちに破片やら何やらが散っていた。
そしてその中央――――煙がもくもくと立ち上っているあたりに、人影が二つあった。
その人影たちは向かい合うように対峙していて、どちらも武器を構えていた。
一人は槍、一人は剣を。
「クフフ・・・貴方の幻海牛の実力はその程度なんですか?」
槍を構えた男――――六道骸は、自分の髪をかきあげながら不敵に笑った。
「・・・・・・」
そしてもう一人の、剣を構えた男――――幻騎士は、黙ったままそれを聞いていた。
「もう一週間もこんな状態じゃ、さすがに『彼』も黙ってはいないでしょう?それとも君は『彼』を待ってるんですか?」
クフフ、と骸が笑い、幻騎士がそれに何か言おうとした瞬間、
ドオオオオン!!!
「・・・!」
「おやおや・・・噂をすれば、ですかね」
パラパラと訓練場の壁が崩れ、できあがった大きな穴に二人の視線は注がれる。そしてその視線の先にいたのは、
「お前ら・・・いい加減にしろ」
額にオレンジの炎を灯した、ある意味『原因』の少年だった。
「やっと来ましたね・・・今か今かと待ちわびていましたよ」
「・・・綱吉」
綱吉は骸と幻騎士を交互に見てから、ひび割れている壁と散らかった床を見てため息をついた。本日三度目の。
「・・・骸」
「はい、何でしょう?」
骸は笑顔で綱吉のほうを向く。
「お前だろ、第三倉庫からボックス3箱盗んだの」
「・・・あー・・・」
骸は少し考えるようにして、すぐに綱吉に向けてウインクを飛ばした。
「僕の箱がこの一週間で少なくなってしまったので、補充したんですよ☆」
「・・・・・・」
そんな骸を蔑むような目で見てから、綱吉は幻騎士のほうを向いた。
「幻騎士」
「・・・なんだ」
少し緊張したように幻騎士が答える。
「仕事はどうした。大体今日はミルフィオーレで六弔花会議があるんじゃないのか?」
「・・・白蘭様には前もって申し上げてある。今日は私事で忙しい、とな」
私事。そう、これは骸と幻騎士の勝手な私事なのだ。
一週間もの間、ほとんど眠らずに戦ってきた。
時は一週間前に遡る。
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プロフィール

- 奏 Euph
- 割となんでもやる、活動的な魚類。
狐狸・二ノ宮翼・塵芥・ラピなど、名前がたくさんあります。
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