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林檎コンビ格納庫


細かいネタ

[1]

一ヶ月ぶりに遊んだ帰り道。座席が埋まりきった電車の中、出入り口前で向き合って各々もたれながら、ジャックとローズはぼんやりしていた。いつもならベンツだのフェラーリだのが迎えに来るところだったが、市街地で渋滞が起こっている情報が流れては仕方ない。たまには、と思って電車に乗って揺られながら、二人はガタゴトという音と共に電車ごと進んでいった。
『今日も早ぇなー』
たまにオフで会うといつもそうだ。ゲーセンに行って、遊んで、お気に入りの店に立ち寄って、適当なファーストフード店で駄弁るだけなのに、時計の針は意地悪なくらいせかせかと動く。
『……そーいや、なんでだ?』
ふ、と目の前でぼんやりしているローズをチラ見し、ジャックは漠然と考えた。
一ヶ月ぶりに、遊べるとはいえ。毎回毎回ローズのオフができるたびに一緒に遊んでいる気がする。一ヶ月前も、その前も。ただ、ゲーセンに行って、駄弁って、同じような感じだ。よく飽きないものだ。
『毎回そんな感じなのに、なんで飽きずにお前と遊ぶんだろーな』
皮肉も嫌みもなく、純粋に疑問であった。

友達は、自慢じゃないが多い方。ローズの休みが出来たからって、自分の休みをわざわざ重ねなくてもいいはずなのに。むしろ、何回も会っているのだから別に――――――

でも、会ってしまうし、予定もたてるし、これからもそう。

『なんでだ?』
「――――――ジャック、」
「あん?」
電車の窓から差し込むネオンの光に目を細めながら、ローズは笑いながら言う。
「今日も、楽しかったですね」
「…………」

なるほど、な。

「俺は楽しくねーよ」
「おや、なぜです?」
「スコア抜かれたんだぞ?クソッ」
「せいぜい、私がいない間頑張りなさいな(笑)」
「おいなんだその、(笑)!明日には抜いてやるからな!」
「おやめなさい、ジャック、電車のなかです」
「~~~~~~……ッ!!」





[2]

郵便のにーちゃんから受け取った小包を抱え、サインして仕事に戻ってもらう。
思い当たる節のまったくない小包だ。この前通販で買ったヤツは一昨日届いたし―――――とか思ってた俺の目に飛び込んできた差出人の名前。きっと今、海外を飛び回っているはずのローズの名前に、ますます混乱した。なんかあいつんちに忘れもんでもしたか?いや、だったら着払いだろ。ご丁寧に元払いされていた小包を開いた。

海外のにおいがする、缶入りのナッツ。それと、メモ。
『ヘイジャック、お土産です』

「は―――――」
思わず声になったのは、ため息を装ったなにかだった。
なんだよ、お前、友達くらい他にいねーのかよ。つか、忙しいんじゃねーのかよ。土産選んでる暇あんなら…………。
…………。
…………誤魔化してもしかたねーか。
なんだよ。どこでも俺のこと考えてんじゃねーよ、ばーか。
思わずニヤッとして、缶の蓋を開けた。しょっぱいナッツは安い酒にも合いそうだ。今度あいつが帰ってきたとき、つまみにして一緒食うか。それまでもってるといいな。
なんてな。
「んだよ、てめー」
ポリポリと噛み締めるナッツの味。あー、早く帰ってこいよ、なくなっちまうぞ。





[3]
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プロフィール

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奏 Euph
割となんでもやる、活動的な魚類。
狐狸・二ノ宮翼・塵芥・ラピなど、名前がたくさんあります。
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