1.俺の嫁はお姫様
第十三幕
裏話
「あれ、都美子さんもういない?」
残念なことにA組に行っても都美子さんは姿は見えなかった。廊下で話していたA組の生徒に話を聞くと、今日は学校の方には来ていないとのことだった。
とすると行先は一つか……。
俺はすぐさま学校を出てゲーセンに向かうことにした。
……………。
……。
ゲームセンターに着くと格ゲーコーナーのある二階へと足を運ぶ。ここに来れば会えるなんて確証はないが、どうしても昨日の話を聞きたかった。だってそうだろ。昨日詩織さんと話した張本人である俺でさえ、今日学校に転校してくるだなんて夢にも考えられなかった。
それをただの一度も会っていないはずの、いや、もしかしたら会っていたのかもしれないけど、都美子さんが知っているなんて世の中の摂理が可笑しいとしか考えられない。
俺は二階へと続く階段を登り終えると、辺りを見渡して目標である人物を探す。目に入ったのは右奥の方にできている人だかり。俺は気になったのでさそっく向ってみることにした。
しかし、この人だかり。ただの人だかり何かじゃなかった。
何と近くに行っても人が多すぎて中心に誰がいるのか分からない程なのだ。もしかしたら、と思ってきたものの、これじゃあ仮に中心に都美子さんがいたとしてもぼくが彼女を連れてこの場を抜けるのは困難であろう。でも、迷っている場合じゃない。とにかく確かめるだけ確かめるか。
「すいませーん」
と周りの人に声を掛けつつどんどん中心へと進んでいく。
「す、」
もう一度、すいませんと言おうと思って人混みをかき分けようとした時だった。
やっぱり中心にいた都美子さんによってぼくは手首を掴まれて、
「ちょっと来い」
の一言で俺の手首を掴んだまま大きくジャンプをして人ごみを抜けた。
俺は最近よく飛ぶな。と思ったもののなんだかアニメの世界に入ってしまったかのようで、何んとも言えない状態だった。人ごみを抜けた後、俺たちはゲーセンを抜けて、近くの公園にやってきていた。
「ハァ、ハァ……すごいな……都美子さん、運動もできるのか」
「今はそんなことどうでもいいはずだろ?」
「あ、そうだった。あのさ、今日やっぱり詩織さん学校にきたぜ」
「ふん、だろうな。それともう一人いただろ?」
どうしてそんなことを知っているのだろうか。もしかしたら見に来ていたのかもしれない。
「ああ、川上百合菜って子が来たよ。黒髪のすっごいきれいな人だったな。でも詩織さんと知り合いみたいな感じではなかったよ」
「ほう、なるほどな。あの糞野郎も洒落込んだことしてくれるぜ」
小声でいったのでよく聞こえなかったのだが、都美子さんはなんだか納得しているようだった。
「それで、陰謀って何? 俺は彼女がそんなことのためにこの学校に来たなんて信じたくないんだけど」
「まぁ、そういうなって。今にわかる。陰謀っていってもお前が思ってるようなことじゃねえよ。ただ、何か目的があってきてるってことだ。それ以外は何もねぇよ」
「じゃあ、どうして都美子さんはこんなに色々と知ってるんだ? 詩織さんとは知り合いなのか?」
「そこは……そうだな。教えてやってもいいか」
独り言のようにそう言うと都美子さんは俺の顎を親指と人差し指の面で引き寄せると耳元でこう囁いた。
「……遠い過去の知り合いだ……」
何だかこれは聞いてはいけないことだったのでは? と後悔さえしたが、きっとこれから知りえることと向き合っていくには知らなくてはいけないことのようなことなので、ふっきることにした。
だいたい詩織さんと都美子さんの関係を聞きに来たんだ。だからというのも何だけど知っても良いことだろう。
「さ、もうこれで終いだ。聞きたいことは聞けたか?」
関係も分かったのでこれ以上踏み込むのも人の家に土足で踏みいっているようで悪い気がした。だからこれで終わりにしておく。
「うん、まぁ。多分聞けた。別に怪しい人じゃないんだろ?」
「ははは、そりゃそうさ。あいつらは普通だよ」
「それだけ聞ければ十分すぎるくらいだ。俺はもっと別のことかと思って」
「別のことって、例えばどんなだ?」
「えっと……例えばだな、この国を襲うための刺客で、手始めにこの学校を爆破。とか、この学校の生徒をさらって人身売買、闇取引。など以下省略」
「はっはははは、ちげぇねえ。そりゃ良い線してるわ」
「って、マジかよ!? さっき普通って言ってなかったか?」
「なあに、冗談だ。冗談。それじゃあな」
「え、って、冗談? なんだー、ってどれが冗談なんだよ!?」
このタイミングでそれはないだろうと思う瞬間だろこれ。笑いながら去ってしまう都美子さんの足は尋常じゃないほど速いので追いつくことは不可能。俺は大人しく諦めることにした。
きっと嘘はついてないだろ。
俺は都美子さんと別れると、午前中から抱えていたもやもやした感情が消えていることに気づいた。そのもやもやが何だったか分からないが、その時はなんとなくこれで良いような気がした。
残念なことにA組に行っても都美子さんは姿は見えなかった。廊下で話していたA組の生徒に話を聞くと、今日は学校の方には来ていないとのことだった。
とすると行先は一つか……。
俺はすぐさま学校を出てゲーセンに向かうことにした。
……………。
……。
ゲームセンターに着くと格ゲーコーナーのある二階へと足を運ぶ。ここに来れば会えるなんて確証はないが、どうしても昨日の話を聞きたかった。だってそうだろ。昨日詩織さんと話した張本人である俺でさえ、今日学校に転校してくるだなんて夢にも考えられなかった。
それをただの一度も会っていないはずの、いや、もしかしたら会っていたのかもしれないけど、都美子さんが知っているなんて世の中の摂理が可笑しいとしか考えられない。
俺は二階へと続く階段を登り終えると、辺りを見渡して目標である人物を探す。目に入ったのは右奥の方にできている人だかり。俺は気になったのでさそっく向ってみることにした。
しかし、この人だかり。ただの人だかり何かじゃなかった。
何と近くに行っても人が多すぎて中心に誰がいるのか分からない程なのだ。もしかしたら、と思ってきたものの、これじゃあ仮に中心に都美子さんがいたとしてもぼくが彼女を連れてこの場を抜けるのは困難であろう。でも、迷っている場合じゃない。とにかく確かめるだけ確かめるか。
「すいませーん」
と周りの人に声を掛けつつどんどん中心へと進んでいく。
「す、」
もう一度、すいませんと言おうと思って人混みをかき分けようとした時だった。
やっぱり中心にいた都美子さんによってぼくは手首を掴まれて、
「ちょっと来い」
の一言で俺の手首を掴んだまま大きくジャンプをして人ごみを抜けた。
俺は最近よく飛ぶな。と思ったもののなんだかアニメの世界に入ってしまったかのようで、何んとも言えない状態だった。人ごみを抜けた後、俺たちはゲーセンを抜けて、近くの公園にやってきていた。
「ハァ、ハァ……すごいな……都美子さん、運動もできるのか」
「今はそんなことどうでもいいはずだろ?」
「あ、そうだった。あのさ、今日やっぱり詩織さん学校にきたぜ」
「ふん、だろうな。それともう一人いただろ?」
どうしてそんなことを知っているのだろうか。もしかしたら見に来ていたのかもしれない。
「ああ、川上百合菜って子が来たよ。黒髪のすっごいきれいな人だったな。でも詩織さんと知り合いみたいな感じではなかったよ」
「ほう、なるほどな。あの糞野郎も洒落込んだことしてくれるぜ」
小声でいったのでよく聞こえなかったのだが、都美子さんはなんだか納得しているようだった。
「それで、陰謀って何? 俺は彼女がそんなことのためにこの学校に来たなんて信じたくないんだけど」
「まぁ、そういうなって。今にわかる。陰謀っていってもお前が思ってるようなことじゃねえよ。ただ、何か目的があってきてるってことだ。それ以外は何もねぇよ」
「じゃあ、どうして都美子さんはこんなに色々と知ってるんだ? 詩織さんとは知り合いなのか?」
「そこは……そうだな。教えてやってもいいか」
独り言のようにそう言うと都美子さんは俺の顎を親指と人差し指の面で引き寄せると耳元でこう囁いた。
「……遠い過去の知り合いだ……」
何だかこれは聞いてはいけないことだったのでは? と後悔さえしたが、きっとこれから知りえることと向き合っていくには知らなくてはいけないことのようなことなので、ふっきることにした。
だいたい詩織さんと都美子さんの関係を聞きに来たんだ。だからというのも何だけど知っても良いことだろう。
「さ、もうこれで終いだ。聞きたいことは聞けたか?」
関係も分かったのでこれ以上踏み込むのも人の家に土足で踏みいっているようで悪い気がした。だからこれで終わりにしておく。
「うん、まぁ。多分聞けた。別に怪しい人じゃないんだろ?」
「ははは、そりゃそうさ。あいつらは普通だよ」
「それだけ聞ければ十分すぎるくらいだ。俺はもっと別のことかと思って」
「別のことって、例えばどんなだ?」
「えっと……例えばだな、この国を襲うための刺客で、手始めにこの学校を爆破。とか、この学校の生徒をさらって人身売買、闇取引。など以下省略」
「はっはははは、ちげぇねえ。そりゃ良い線してるわ」
「って、マジかよ!? さっき普通って言ってなかったか?」
「なあに、冗談だ。冗談。それじゃあな」
「え、って、冗談? なんだー、ってどれが冗談なんだよ!?」
このタイミングでそれはないだろうと思う瞬間だろこれ。笑いながら去ってしまう都美子さんの足は尋常じゃないほど速いので追いつくことは不可能。俺は大人しく諦めることにした。
きっと嘘はついてないだろ。
俺は都美子さんと別れると、午前中から抱えていたもやもやした感情が消えていることに気づいた。そのもやもやが何だったか分からないが、その時はなんとなくこれで良いような気がした。
プロフィール
- 凍空 瑛
- 最近時間がなくて書けていませんでしたが、また時間ができたので、再開しました。どうぞ、よろしくお願いします。
ブログもやってるので、暇ならどぞ、寄っててください。
リンクはブログのページに貼ってあります。
携帯用QRコード
- アクセス数

- ページビュー数
