1.俺の嫁はお姫様
第十四幕
妹の友達 前編
家に帰ってみると妹がまた友達を連れてきているようだった。
「ただいまー」
と声を出してみるものの、返事はない。大方妹たちは部屋で盛り上がっているのだろうと思った。靴の数から考えると、遊びに来ているのは一人。おそらく昨日来ていた彼女と同一人物であろう。
友達が少ないのかと心配してしまうが、一方でうちの妹は仲の良い親友を見つけたのかなとも思っている。って俺が心配するようなことじゃないよな。こんなんだからシスコンとか言われてしまうのかもしれない。
パソコンで見ておきたいこともあるので、水を一杯飲むと階段を上って自分の部屋に入ることにする。
部屋に入って鞄をおいて着替えると、床にカイリから借りた本が落ちているのを目にした。
「あー、これ返し忘れてた。明日学校に持ってくか」
俺は本を拾って鞄に詰め込んだ。これでよしっと。さーて、パソコンでも起動するかな。
パソコンを起動させて立ち上がるまでマンガを読んでいると、先ほどから何かがひっかかっているような気がしてならなかった。
「なんだ? 何か忘れているような。そうでないような」
んーと腕を組んで考え込んでも何だかよく分からない。よく分からないが何か忘れていることはわかる。忘れていることを忘れているわけではないので幾分かましだろう。それでも、なかなか思い出せない。結局パソコンが立ちあがってしばらくたっても思い出せないので、何かの拍子におもいだすだろうと思い、掲示板の方に意識を切り替えた。最近日課みたいになってきているな、これ。
「えーっと、今日は……」
今日の書き込みを見ていると、何だか見たくないような書き込みがずいぶんと書かれていた。
「何だ、これ……、うわ、何かもう学校の掲示板のスケールこえてるだろ……」
書き込まれている内容は最近転校してきた美少女三人についての外装コメントばかりだった。
こんな書き込みである。
『縷縷川さんって顔がめちゃ小さくて、足もちょー長いよな。出るとこでてるし、顔も可愛いときた。結構お茶目なとこもあって、そこがまたたまらないねー』
おいおい、名前出して良いのかよ……。たぶん大丈夫か。
まぁ確かにお茶目ではあるが、性格に問題アリだしな。
次はこれ。
『ぼくはやっぱり詩織様だなー。清楚っていうかもう、顔の作りが本当に同じ地球に生まれた人類とは思えないよ。髪の毛と目の色も素敵だ。ぼく、明日告ろうかな』
おい、はえーよ。そして失せてください。
次!
『おまいらみんな間違ってる。今回の転校生三人の中じゃあ川上百合菜さまが神。これ基本。顔とかめちゃ外人なのに、髪の色は日本人の中でもレアな艶やかな黒色、なんといってもあの目の色がたまらない。くすんだ緑って感じの? まあなんかコスプレしてるみたいで萌える。ちなみに俺の嫁だから』
こいつはキテルな。もしかしたら三回ぐらい転生しないといけないかもしれん。
今紹介した例文みたいのがざっと六百件はあった。なんかもう勝手にトピックたててやってくださいって感じだな。
ざっと目を通し終わると部屋にノック音が聞こえた。
「お兄ちゃん? ちょっと見てもらいたいものがあるんだけどいい?」
「んーいいよ」
「じゃあ、部屋に入るよ」
部屋に入ってきたのはコスプレをした自分の妹と同じくコスプレをしている妹のお友達だった。
俺はポカーンとしてしまい、石のようになってしまっていた。というのも理解してもらいたい。だって行き成りだぜ? そりゃビビるだろ。コスプレしてる妹とそのお友達が目の前に現れてどうすりゃいいんだよ!
「あの、ど、どうかな?」
と妹が言うものの、俺にはここで何と言えばいいかなんて分からない。だってそうだろう。ここで可愛いななんて言ったら、何か色々とまずいような気がするし、そもそも何でこんな格好してるのを俺に見てもらいたいんだ? ちなみにコスプレは王道中の王道であるメイドだ。
ってか俺の困った姿をみて菜々美が泣き出しそうなな表情になってる。どうしよ。とりあえず何か、何か言わなければ……。
「い、いいんじゃないか。でも俺は別にメイドとかに興味があるわけではなくてだな、いやまったくないと言えばウソになるが……」頭をポリポリ掻きながら言ってみる。
「本当? 良かったぁー。留美ちゃん良いって!」
「でも、お兄さまはメイド服は気に入らないみたいよ?」
「それは大丈夫だよ。お兄ちゃんはどんな服でもオッケーだから!」
おいおい、何だそれは。ストライクゾーンが広いという意味にも取れそうで取れないような曖昧さは。俺だって良識のある人間だ。何もすべてを良しとしているわけでわないよ。
「そうなの? なるほどねー」
なんか納得されてるし。って、メモを取り出して何を書こうとしているんだ。菜々美も菜々美だ。友達の前で俺の変態発言をしなくてもいいだろ。
「で、それだけ?」
ただコスプレを見せにきただけっていうのはないと思ってそう尋ねてみる。
「ううん、それだけじゃないよ。友達の紹介まだだったからしておこうと思って。家に来たの初めてじゃないから顔とか見たことあるでしょ? 彼女がわたしの友達の留美ちゃん。お兄ちゃんも仲良くしてね」
「あー、うん。よろしくね、留美ちゃん」
菜々美が何度か彼女の名前を呼ぶのを聞いていたので留美という名前は聞いたことがあった。ただちゃんとした紹介があったってことはそれだけ大切な友達なのだろう。俺もできる限り仲良くしてあげたいと思う。
「こちらこそよろしくお願いします、お兄さま。ところでお兄さま、メイド服とチャイナ服はどちらがお好きで?」
「えっと、それはメイド服かな」
「やっぱお兄ちゃんはメイドだよね」
「そうですか。参考になります」
年下にチャイナ服を着せてもあまりしっくりこないだろう。わりと二人とも幼児体型だからフリルで胸元とか隠してた方が様になるだろうし。って何冷静に考えてるんだよ、俺。
「留美ちゃんはコスプレとか好きなの?」
「はい、大好きです」
「なんで好きなの? いや、答えたくなかったらいいけどさ」
「ふふ、お兄さまはコスプレを見るのは好きではないんですか? わたしはコスプレをした時に相手がみせる表情を見るのが好きなんです。可愛いと思ってくれている表情だったり、スケベな考え事して鼻の下が伸びていたり、見ているのが恥ずかしくて軽く赤面していたり、そんなお顔を見るのが好きなんです」
「なるほど、深いな。たんに好きな服きたりするとか、そういうのはないの?」
「もちろんそういう時もありますよ。可愛い服着たりできるのは女の子の特権ですから。菜々美ちゃんにももっと可愛い服を着て欲しくて誘ったんです」
「……百合とかそういったのではないよな?」
「あら、気になります? そういうの」
「お兄ちゃんもしかしてわたしが留美ちゃんに取られるんじゃないかって心配してくれてるの?」
っと無邪気に笑う妹が可愛くてしょうがないなんてことは口が裂けても言えない。だからいつもほんの少し天の邪鬼になってしまう。
「兄としてだなー、妹が特異な交流関係を培っていないかどうか心配なんだけ」
「またまたー、照れちゃって」
「お兄さまがそんなに遠まわしな態度を取られるなら、わたし菜々美ちゃんを取っちゃいますよ?」
二人揃って俺をからかって楽しんでいるのか。楽しいなら万事休すなんだが、これって兄の立場とかないよな。軽く反撃でもしておくか。
「二人して俺をからかうのはやめてくれよ。じゃあ例えばの話、俺が男と交際してるなんて言ったら菜々美はどうなんだ。いやだろ?」
後編に続く!
「ただいまー」
と声を出してみるものの、返事はない。大方妹たちは部屋で盛り上がっているのだろうと思った。靴の数から考えると、遊びに来ているのは一人。おそらく昨日来ていた彼女と同一人物であろう。
友達が少ないのかと心配してしまうが、一方でうちの妹は仲の良い親友を見つけたのかなとも思っている。って俺が心配するようなことじゃないよな。こんなんだからシスコンとか言われてしまうのかもしれない。
パソコンで見ておきたいこともあるので、水を一杯飲むと階段を上って自分の部屋に入ることにする。
部屋に入って鞄をおいて着替えると、床にカイリから借りた本が落ちているのを目にした。
「あー、これ返し忘れてた。明日学校に持ってくか」
俺は本を拾って鞄に詰め込んだ。これでよしっと。さーて、パソコンでも起動するかな。
パソコンを起動させて立ち上がるまでマンガを読んでいると、先ほどから何かがひっかかっているような気がしてならなかった。
「なんだ? 何か忘れているような。そうでないような」
んーと腕を組んで考え込んでも何だかよく分からない。よく分からないが何か忘れていることはわかる。忘れていることを忘れているわけではないので幾分かましだろう。それでも、なかなか思い出せない。結局パソコンが立ちあがってしばらくたっても思い出せないので、何かの拍子におもいだすだろうと思い、掲示板の方に意識を切り替えた。最近日課みたいになってきているな、これ。
「えーっと、今日は……」
今日の書き込みを見ていると、何だか見たくないような書き込みがずいぶんと書かれていた。
「何だ、これ……、うわ、何かもう学校の掲示板のスケールこえてるだろ……」
書き込まれている内容は最近転校してきた美少女三人についての外装コメントばかりだった。
こんな書き込みである。
『縷縷川さんって顔がめちゃ小さくて、足もちょー長いよな。出るとこでてるし、顔も可愛いときた。結構お茶目なとこもあって、そこがまたたまらないねー』
おいおい、名前出して良いのかよ……。たぶん大丈夫か。
まぁ確かにお茶目ではあるが、性格に問題アリだしな。
次はこれ。
『ぼくはやっぱり詩織様だなー。清楚っていうかもう、顔の作りが本当に同じ地球に生まれた人類とは思えないよ。髪の毛と目の色も素敵だ。ぼく、明日告ろうかな』
おい、はえーよ。そして失せてください。
次!
『おまいらみんな間違ってる。今回の転校生三人の中じゃあ川上百合菜さまが神。これ基本。顔とかめちゃ外人なのに、髪の色は日本人の中でもレアな艶やかな黒色、なんといってもあの目の色がたまらない。くすんだ緑って感じの? まあなんかコスプレしてるみたいで萌える。ちなみに俺の嫁だから』
こいつはキテルな。もしかしたら三回ぐらい転生しないといけないかもしれん。
今紹介した例文みたいのがざっと六百件はあった。なんかもう勝手にトピックたててやってくださいって感じだな。
ざっと目を通し終わると部屋にノック音が聞こえた。
「お兄ちゃん? ちょっと見てもらいたいものがあるんだけどいい?」
「んーいいよ」
「じゃあ、部屋に入るよ」
部屋に入ってきたのはコスプレをした自分の妹と同じくコスプレをしている妹のお友達だった。
俺はポカーンとしてしまい、石のようになってしまっていた。というのも理解してもらいたい。だって行き成りだぜ? そりゃビビるだろ。コスプレしてる妹とそのお友達が目の前に現れてどうすりゃいいんだよ!
「あの、ど、どうかな?」
と妹が言うものの、俺にはここで何と言えばいいかなんて分からない。だってそうだろう。ここで可愛いななんて言ったら、何か色々とまずいような気がするし、そもそも何でこんな格好してるのを俺に見てもらいたいんだ? ちなみにコスプレは王道中の王道であるメイドだ。
ってか俺の困った姿をみて菜々美が泣き出しそうなな表情になってる。どうしよ。とりあえず何か、何か言わなければ……。
「い、いいんじゃないか。でも俺は別にメイドとかに興味があるわけではなくてだな、いやまったくないと言えばウソになるが……」頭をポリポリ掻きながら言ってみる。
「本当? 良かったぁー。留美ちゃん良いって!」
「でも、お兄さまはメイド服は気に入らないみたいよ?」
「それは大丈夫だよ。お兄ちゃんはどんな服でもオッケーだから!」
おいおい、何だそれは。ストライクゾーンが広いという意味にも取れそうで取れないような曖昧さは。俺だって良識のある人間だ。何もすべてを良しとしているわけでわないよ。
「そうなの? なるほどねー」
なんか納得されてるし。って、メモを取り出して何を書こうとしているんだ。菜々美も菜々美だ。友達の前で俺の変態発言をしなくてもいいだろ。
「で、それだけ?」
ただコスプレを見せにきただけっていうのはないと思ってそう尋ねてみる。
「ううん、それだけじゃないよ。友達の紹介まだだったからしておこうと思って。家に来たの初めてじゃないから顔とか見たことあるでしょ? 彼女がわたしの友達の留美ちゃん。お兄ちゃんも仲良くしてね」
「あー、うん。よろしくね、留美ちゃん」
菜々美が何度か彼女の名前を呼ぶのを聞いていたので留美という名前は聞いたことがあった。ただちゃんとした紹介があったってことはそれだけ大切な友達なのだろう。俺もできる限り仲良くしてあげたいと思う。
「こちらこそよろしくお願いします、お兄さま。ところでお兄さま、メイド服とチャイナ服はどちらがお好きで?」
「えっと、それはメイド服かな」
「やっぱお兄ちゃんはメイドだよね」
「そうですか。参考になります」
年下にチャイナ服を着せてもあまりしっくりこないだろう。わりと二人とも幼児体型だからフリルで胸元とか隠してた方が様になるだろうし。って何冷静に考えてるんだよ、俺。
「留美ちゃんはコスプレとか好きなの?」
「はい、大好きです」
「なんで好きなの? いや、答えたくなかったらいいけどさ」
「ふふ、お兄さまはコスプレを見るのは好きではないんですか? わたしはコスプレをした時に相手がみせる表情を見るのが好きなんです。可愛いと思ってくれている表情だったり、スケベな考え事して鼻の下が伸びていたり、見ているのが恥ずかしくて軽く赤面していたり、そんなお顔を見るのが好きなんです」
「なるほど、深いな。たんに好きな服きたりするとか、そういうのはないの?」
「もちろんそういう時もありますよ。可愛い服着たりできるのは女の子の特権ですから。菜々美ちゃんにももっと可愛い服を着て欲しくて誘ったんです」
「……百合とかそういったのではないよな?」
「あら、気になります? そういうの」
「お兄ちゃんもしかしてわたしが留美ちゃんに取られるんじゃないかって心配してくれてるの?」
っと無邪気に笑う妹が可愛くてしょうがないなんてことは口が裂けても言えない。だからいつもほんの少し天の邪鬼になってしまう。
「兄としてだなー、妹が特異な交流関係を培っていないかどうか心配なんだけ」
「またまたー、照れちゃって」
「お兄さまがそんなに遠まわしな態度を取られるなら、わたし菜々美ちゃんを取っちゃいますよ?」
二人揃って俺をからかって楽しんでいるのか。楽しいなら万事休すなんだが、これって兄の立場とかないよな。軽く反撃でもしておくか。
「二人して俺をからかうのはやめてくれよ。じゃあ例えばの話、俺が男と交際してるなんて言ったら菜々美はどうなんだ。いやだろ?」
後編に続く!
プロフィール
- 凍空 瑛
- 最近時間がなくて書けていませんでしたが、また時間ができたので、再開しました。どうぞ、よろしくお願いします。
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