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まい★まり ― 二人の絆 ― 第三話


 第三話 死闘の敗北!?

 今日から入学式だ。
一体こんな状態で良いのか?
あの事件から麻里との絡み以外に麻衣とまともに話す機会は無かった。
無いと言うか一方的な無視に近い。
食事の時も毎回俺の分は用意されているが会話は全く無い。
これは我慢大会なのか?
この状況を打破する手立ては無いのだろうか。
さて、大学生活は今日からスタートするのだが、麻衣と会う機会は不幸中の幸いなのかほぼ無い。
俺と同じ大学に進めたとはいえ、さすがに俺と同じ理系ではなく、二人とも文系なので同じ授業を受ける心配は無い。
会うのは家に居る時だけ、と言っても昨日やっと飲食店で皿洗いのアルバイトに受かったのでほぼ会うことは無い。
まかないは出るし家でご飯を一緒に食べる機会も土日しかなく、土日もほぼ外で済ませているので心配ない。
だからと言って同じ家に住んでいるのだからこのままにしておくことも出来ない。
どうしたらいいのだろうか……
見られてしまった被害者からは正直どうしようも出来ないのだが……

「ねぇ、ちょっと来てよ」
それは突然の出来事だった。
昼前に終わった入学式、俺は一人で帰宅しようとした矢先だった。
麻衣は俺の裾を掴んで突然走り出した。
薄暗く人通りも少ない路地に連れ込んだ麻衣は突拍子も無いことを口にする。
「あんた……麻里の事どう思ってるのよ」
俺は何を言ってるのか理解できない。
「麻里があんたの事好きって言ってるのよ! どうなのか答えなさいよ」
俺の下腹部に直撃した拳は、いつもなら倒れこんでしまうほどのジャストミートだったが
痛みを全く感じなかった。
そして何故か麻衣は今にも泣き出しそうな顔をしている。
こんな女の子っぽい麻衣を見たのは初めてだ。
「ど、どうって……いきなりそんな事言われてもなぁ……」
幼い頃からずっと一緒に居た麻衣と麻里。そんな彼女らを恋愛対象として見た事は一度も無かった。
無かったのか? どちらかと言うと見てはいけなかった。それこそ兄妹と同じ感覚だった。
「わ、私は……どうなのよ……」
「え?」
麻衣の頬は熟しきったりんごのようだ。
状況から察するに大体の予測は出来た。
突然の同居。
そしてギクシャクしてしまった現状と今の発言。
俺はもしかして窮地に立たされているのか?
でも嫌な気持ちでは無いと言うのも確かだ。
俺に選択する勇気はあるのか?
無いと言いたい所だが……
「正直に言う。俺はそう言う目線で二人を見たことがない。
 だから急にそんなこと言われても答えられないよ……」
ここは安パイでいこう。
気を使った訳ではないが、別に二人とも嫌いじゃないし。
「……」
麻衣は俯いたまま動かない。
俺は選択肢を間違えたか?
いや、俺に選択肢は無かった。
もしエロゲーだったらユーザーの選べる項目は一つのみ。
これは最善、かつ唯一の選択肢だったはずだ。
「ご、ごめんな……」
麻衣はゆっくりと俺に向かって倒れてくる。
「麻衣?」
俺の体に触れた瞬間その異変にすぐ気付いた。
尋常じゃないほどの高熱だ。
「だ、大丈夫か!?」
反応がない。
麻衣を担ぎ、急いで病院へ走る。

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