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 中編2 - 初日の夜 -

城の中に潜入し、大きな廊下を潜り抜け、何十個も用意された椅子に七人が腰掛ける。
そして皆テレビでしか見た事が無かった高級フランス料理らしきものがゾロゾロとあっという間に運ばれて
テーブルに並べられた。
「どうぞ、召し上がってください!」
姫神はそう言ったものの、ナイフとフォークすらあまり手にした機会が無いのに急に食べろと
言われても無理がある。
唯一ゆいだけはフォークだけで分厚いステーキをがっついていた。
「別にテーブルマナーなど気になさらないで宜しいわ。宜しければお箸もご用意出来ますので」
姫神がそう言った途端、数人の召使い達が急に現れてフォークの横にお箸を置きだした。
なんとかお箸があればと、ゆい以外の皆も料理を食べ始めた。
姫神も安心したようでやっと腰掛け、料理を食べ始める。
初めての体験に皆は緊張からか、あまり言葉を交わさなかった。

 食事も一段落し、姫神の案内によりそれぞれの部屋へ案内された。
それぞれの部屋はどれも同じで、高そうなフカフカのベットに本物のシャンデリア。
そして大理石のテーブルにジェット風呂。
一泊何百万もしそうな高級ホテルと言うのはこういう感じなんだろうと皆が思った。
「人間って不公平だよな……」
平井は一人部屋の中でぽつりとつぶやいた。
かばんの中から旅のしおりを出すと二日目からの予定は書いてなかった。
おそらく同じような高級料理で朝ごはんを迎えるのだろう。
いろいろあって疲れていた平井は、まだ八時にもなるかどうかという時間から
ベットの中に入り、深い眠りについた。

 平井はふと目を覚ました。
窓の外を見ると夜空がたくさんの星屑で輝いていた。
次に目を擦りながら時計を見ると夜中の4時過ぎを指していた。
トイレをしたくなって部屋の外に出る。
普通にトイレに向かい用を済ませ出てみるとやっと目が覚めてき始めた。
そしてふと気がついた。
「あれ? 俺なんでトイレの場所知ってるんだろ……」
姫神と二年になって初めて会ったはずなのに姫神の別荘の位置もわかってた気がしていた。
そして教えてもらってもいないのに何の迷いもなくトイレにたどり着いた。
「偶然か? それとも……」
平井はどんだけ思い出そうとしても思い出せない記憶がある。
それは両親が亡くなる以前の記憶だ。
両親がどんな顔だったかも写真で数回しか見たことがない。
「俺……ここに来たことがあるのか……」
どれだけ必死で思い出そうとしても思い出せない記憶。
「気のせい……だよな?」
誰もいない薄暗い廊下で平井はずっと独り言をつぶやいている。
そして平井は部屋に戻る方向と別の道へと歩き出した。
何かを確かめるように一歩ずつゆっくりと歩き始めた。


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